読者の DAYLIGHT さんから、メーカーによって書体のデザインが違うのはなぜかという質問をいただきました。
MyFonts.com で調べたところ、 Futura という名前で手に入る書体はたくさんあります。その中から、Extra Bold のウェイトに限定して比較するだけでこんな風に違いがあります。一番上が Futura ND です。同じポイントサイズでの比較ですが、大きさにも違いがあります。
そうなったのにはいろいろ事情があって、それこそメーカーよっても書体によっても様々なケースがあるので推測の域を出ませんが、こんなふうに考えてください。
メーカーによってデジタル化の次期や担当者が違います。版権を持っている活字会社からライセンス契約して原図(清刷)を借り受けてデジタル化したとしても、作業担当者が違えば最終的にできあがるものもとうぜん違うわけで、 Futura のように金属活字書体として80年以上前に生まれて、そのあとで写植、デジタルといろいろな手を経ていくうちにいろんなバージョンができてしまった、というふうに理解してもらえばだいたい当たりじゃないでしょうか。
書体は違いますが、数年前に似たような質問をもらってこういう調査をしたことがあります。
ご参考までに。
私のブログ
ライノタイプ日本代理店のQ&A
同じような疑問を持ったデザイナー宮里さんのブログ
ちなみに Futura ND は、書体の版権を持っている Bauer 社が Neufville Digital 社に委託して1999年にデジタル化したものです。通貨単位ユーロの形に特徴があります。
他の各社との比較も、このユーロの形でみていくとはっきり違いがわかると思います。ご自分で仕事に使うときは、使いそうな字のデザインを比較して一番イメージが合うものを選ぶ、というのも書体選びの方法です。