Futura が使われているという現代の例はいろいろ集めたんですが、じゃあ昔はどうだったの? ということは、じつは高岡さんの活字の箱の写真(「活字パッケージ」参照)をもらうまで考えていませんでした。
うちに1939年のフランスのグラフィック年鑑みたいなのがあるので、その中から Futura の使ってあるものを探しました。39年といえば、第二次大戦の始まる年です。これは表紙。拡大するとすでに Futura です。「Arts et Métiers Graphiques」という出版社の略のようです。
中を見ると、いろんな広告の例が挟まっています。一番上の広告は、2行目のは手書き文字、RECOMMANDATIONS と組んであるのは別の活字書体、それ以外は Futura です。
グラビア刷りの雑誌の表紙も挟まっていました。女性向け雑誌らしいです。1939 年2月とあります。数字1の字形を、フランスではこういう風に縦棒一本にしていたようです。
SNCF (フランス国鉄)の雑誌広告の例の、フランス国鉄の正式名称が全部 Futura です。
他にも、Jura 地方の観光ガイドがありました。ここでも正式名称が全部 Futura で組まれています。